サドルとスプリング


自分は、弱く弾いたときには弱い音が、強く弾いたときには強い音が出てくれるギターが良いギターだと思っている。

誕生日プレゼントということもあり、ダイナミクスと関係の深そうな小さいギター・パーツを換装して、ギターがより弾きやすいギターになればいいなと思いました。


目をつけたのは、「サドル」。

ギターの弦のヘッド側のナットは、弾きやすさや音質で、よく話題に上がる。しかし同じ弦を支える箇所であるサドルはほとんど話題になることはない。

「弦の支点が音質に大きく影響するのであれば、より重要な支点なのは、ピックアップに近いサドル側ではないのか?」という疑問が少し前からありました。


ちょっと自分でやってみよう思いました。有名どころのRaw Vintage(ロウ・ヴィンテージ)社のものを、ネットでポチりました。

ストラトのサドル自体の機構は簡単でネジ一本で着脱が可能です。


買ってからほとんど整備せずに放っておいてしまったサドルブロックをゴシゴシふいて汚れをとる。あたらしいサドルを換装。それから新しい弦を張って、弦高調整してオクターブ調整。


弦高調整はこちらの動画を参考にして

ちゃんと1フレットにカポして、12フレットあたりに指板に沿うようにカードを挟んで、ペンペンと弦とカードが均等にビビるようにちょっとずつ全部の弦高をセットするという。そのあとは2弦から6弦に向かって、サドルを少しずつ(1/6回転とか1/4回転とか)上げていくやり方。1弦はフレットに対して一番低くなり、6弦がやや離れた状態になる。「指板は弧を描いているため、これがいいのだ!」と動画の力説になるほどなと思ってやりました。


…うん。あんま変わらない。わかっていた。

ここからは、自分のギターだからこそ分かった、起こった変化と感想を少々。


・音程は劇的に良くなった。これはサドル全体の掃除とオクターブ調整を改めてやったことも関係していると思われる。サドルは奥が深い。

弦を押さえる強さの癖などを見越してオクターブ調整をすると非常に良いかもしれない。6弦をギューっと押さえてしまう癖がある場合は、わざと低音弦側のオクターブ調整をほんの低めにしておいて、ちょっとだけ強く押さえるとジャストの音程になるとか。自分の場合は、まさにこれ。


・音が柔らかく鳴るように感じる。サドルが純鉄タイプになったので、材質的にはステンレスより工学的にやや柔軟。音の伝わりが柔らかくなったのではないか。音のプレゼンス(超高音)成分が少しカットされている気がする。カリカリキンキンチリチリの音が好きな人はイマイチかも。


・弱く弾いたときの音質の太さ。これが興味深い。弱く弾いたとき、音質がある程度太いままであまり変化はしない。しかし音量はちゃんとピッキング強度に追従して小さくなる。強弱の幅が、弱い方に広がった感じがする。

自分はギターは、ガリガリ引き倒すというより、シャラシャラと鳴らすスタイルなので、弱いピッキングでも太めの音が出るようになった変化はうれしい。これはうれしい。


以上の点の半分くらいはサドルの調整と掃除でも起こる変化かもしれません。しかしサドルの調整をしっかり行えば、快適なギター生活が待っているものだなと思いました。

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